7月8日の告示日に無投票となった山北町長選挙は、無所属で現職の湯川裕司町長(62)が再選を果たした。2期目に向けた抱負などについて湯川町長に話を聴いた。
―1期目の4年間はどんなことを心がけてきたか。
4年前は町を二分した選挙だった。そのためまずはひとつにしなければという思いがあった。どういう場面においてもこちら側(町)から近づいていくことが重要だと考えた。
―2期目はどのようなことに取り組むか。
まずは「体温を上げたい」。人の体温は36度前後だがこれを36度2分とか5分とかに。気持ちにしろ動きにしろ、熱を発して、それが町民に伝わるように、という意味で。新東名のスマートインター設置に向けた国へ要望の強化や東山北駅前に定住促進住宅をつくる。来年4月のトヤマの稼働で山北に外国人が訪れる機会が増えるので民泊の仕組みも整えたい。年間160万人の観光客を増やす発想ではなく、経済効果を生む施策が必要。つまり客数よりも客単価を上げるということ。空き家対策や「ハイツ&ヴィラかながわ」の跡地利用などはその方策のひとつになる。
―周辺自治体との合併はどうか。
将来的には誰もが必要だと考えていると思うが、今は広域連携の強化が現実的だ。仮に合併となっても、一極集中で衰退が進むことがないよう、分野ごとに拠点を分散させる必要がある。平成合併ではそうした弊害もでている。
―町の将来像は。
ヨーロッパの田舎のように人口は少なくても歴史や文化、景観を守りながら人々が暮らす姿が理想。消費税が10%になれば都心で暮らす人たちがこちらにも流れてくる。受け皿としての準備も必要だ。国には少し時代を戻してもらい、サラリーマンでも兼業でき、場合によっては安価に仕事が出せるような法整備を期待したい。御殿場線の線路沿いの除草作業や駅舎の清掃など、ちょっとした謝礼程度でできそうなこともあるが、最低賃金の保障などが弊害になる。
―選挙直前に奥様を亡くされた。通夜で参列者一人ひとりに懸命の笑顔で応対している姿が印象的だった。
1年余りの闘病生活だった。祖父から「泣くのは葬儀が終わってから」と教えられてきたのでそうなった。いい友、いい後援会、いい家族に恵まれ感謝している。これからは妻に代わって感謝し続けていきたい。
(聴き手・足柄版編集長 宇佐美 真)
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