山北町が国へ要望してきた新東名高速道路への山北スマートインターチェンジ(IC)設置が、7月25日に決まった。国土交通省が事業採択したもので、2020年度の本線開通予定に合わせて供用される。
スマートICは専用カードによる料金自動支払いが可能な車の専用出入口で、山北町では観光振興や救急・災害対策などに効果が期待できるとして2007年に検討が始まった。
既設の東名高速道路はトンネルと橋だけの通過道路で地域経済などに効果がないため、新東名の建設にあわせて町内にスマートIC設置を求める声が高まり国への要望を強化していた。
新東名は12年度に「御殿場〜浜松いなさ」(162Km)が開通し、15年度に「浜松〜豊田東」(55Km)、16年度は「海老名南〜厚木南」(2Km)が開通予定。20年度には「伊勢原北〜秦野」(13Km)と「秦野〜御殿場」(32Km)が開通する予定で、山北スマートICは「秦野〜御殿場」に設置される。
町政策秘書課によると、スマートIC設置の事業費は当初、50億円と試算していたが、中日本高速道路が昨年12月に設計を変更したことで15億円に軽減できることがわかった。当初の計画よりもトンネルが西側に移動するため本線への連結のために橋を架ける必要がなくなった。15億円のうち6億円程度を町が負担する見通しだという。
設置場所は山北町川西の城山付近で今年2月に開通した「清水やまなみ橋」がアクセス道路の起点となる。この橋から西側約360mはすでに町道(河内川谷戸線)認定されていて、この道を約1・2Km延伸して本線に連結する。
出入り口は東京方面に限るハーフインター形式で、完成から10年後の2030年には1日あたり1300台の利用がある見込み。
減少傾向にある中川温泉や丹沢湖の観光客増加をはじめ、搬送に44分を要している丹沢湖〜東海大学医学部付属病院への所要時間が33分に短縮できる。
清水やまなみ橋の近くにある道の駅山北の山崎悟駅長(77)は「待望の吉報。開通に向けて魅力ある道の駅にしていきたい」と話し、丹沢湖へ向かう県道沿いで自動車整備・販売業を営む田中正一さん(46)は「都内へのアクセスが良くなることで地域の人口が増えることにつながって欲しい。地域にとっては大きなチャンスだ」と設置を歓迎する。
町では「これまでの経過や今後について、できるだけ早期に町民へ説明したい」としている。
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