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足柄版 公開:2015年2月28日 エリアトップへ

請願と向き合ったか デスク・レポート

政治

公開:2015年2月28日

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 ▽南足柄市議会で24日、「学童保育の充実を求める請願」の審査があった。市内の各学校区で学童保育を運営する保護者会の代表8人が、平日午前の市議会総務福祉常任委員会を傍聴し、審査の行方を見守った。保護者会が連名で提出した請願だったが、委員7人中6人が表決を棄権する異例の事態で審議未了となった。棄権の明確な理由を発言する議員はいなかった。審査の結果を目の当たりにした保護者が揃って指摘したのは「議員の認識不足」と「論点のずれ」だ。

 ▽南足柄市の学童保育は37年間にわたり保護者が運営してきた。保育料の収納や指導員の給与計算、市役所との連絡調整も保護者の仕事だ。近隣自治体では市町の職員が担う事務を保護者が担っている。都内のコンサルティング会社に勤務する社会保険労務士の母親は「ボランティア(保護者)の労力を給与換算すれば、運営費はさらに膨らむ」と窮状を訴える。運営を支える保護者も、放課後保育を必要とする保護者であることをもう一度、理解しなければならないだろう。

 ▽子どもと子育てを社会全体で支える「子ども・子育て支援新制度」が4月からはじまる。市や町が中心的役割を果たし、国県が財政面でサポートする仕組みが整いつつあり、南足柄市も必要な条例を制定するなど準備している。このように社会環境が変化するなか審査に臨んだ議員の一人は「選挙前のこの時期になぜ請願か」と紹介議員を暗に批判した。保護者が感じた「論点の違い」はこのあたりにあるのではないか。

 ▽「賛否どちらにして良いかわからない。継続審査ではどうか」。委員会ではこう切り出す議員もいた。さらに「施設改善は保護者会の仕事」「研修の参加費を行政に求めることは理解できない」との発言もあった。そもそも請願を提出した学童保育の保護者会は営利団体ではなく、女性の社会進出やひとり親世帯の生活を長年支えてきた団体だが、この点を議員はどう考えたのだろうか。どの自治体にも子育て支援策はあり、その優先順位は首長が掲げる政策や地域の事情によりさまざまだ。南足柄の現状が妥当かどうかをチェックし、解決策を導き出すことも議会には求められている。

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