▽統一地方選前半の知事選挙は与野党が相乗りした現職の黒岩祐治さんが歴代3位の得票数で再選した。県議選の足柄上では自民の杉本透さんが2期連続の無投票で3選を決め、南足柄では新人の瀬戸良雄さんが雪辱を果たした。県平均の投票率は過去最低の40・71%で、県議選が無投票だった足柄上郡では松田町で前回比15ポイント、開成町では26ポイント減少し県平均を大きく下回った。大井町では28・86%と低調だったが、県議選のあった南足柄では県内市域では最も高い50・31%だった。
▽暮らしに身近な議員や首長の選挙よりも、知事選や県議選への関心は総じて低い傾向にある。それにしても7割以上の有権者が棄権してしまう政治は健全とはいえない。大井町では過去の町議補選で20・8%の超低投票率を経験していて今回の低投票率はそれに次ぐものだった。町の選管担当者は「昨年の町長選挙も初めて60%を割り込んだ。今回の投票率も予想より低い。県議選が無投票ということもあるが他に要因があるのか」と首をかしげる。
▽選挙取材をしていると各市町の選管が過去の選挙結果を積極的に公表していないことに気付く。「過去の投票率は分からない。まとめた資料もない」と即応できない選管もある。ネット時代にありながら自治体ホームページのシステムが不十分で公表したくてもできないジレンマもあるようだ。行政や議会、選挙の情報が乏しいことで”情報難民”が増え、結果として政治への関心が薄れ住民の政治参加の機会が減る。そんな地域の現象にも気を配りたいところだ。
▽南足柄の県議選投票率は3人が出馬した前回から7ポイント減った。当選した瀬戸さんですら有権者の3割に満たない支持しか得ていない計算だ。ベテランの現職を破り当選した瀬戸さんには、丁寧にそして細目に政治活動を住民へ報告し、謙虚に意見を求め、時には積極的に住民と議論する政治家像を実践して頂きたい。統一地選挙の後半戦(4月26日投開票)は、南足柄市と開成町の市長・町長選、南足柄市、山北町、開成町では議員選挙がある。各候補の当落結果もさることながら、有権者の投票行動にも注目したい。
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