ボランティアグループ「みなみあしがら遊友」の代表を務める 岩本 暖子(はるこ)さん 南足柄市狩野在住 73歳
「自分たちにできることを」
○…南足柄市りんどう会館で活動するボランティアグループ「みなみあしがら遊友」の代表を務める。震災から4年経っても不便を感じている被災地の人たちの話を聞き、「グループとして何もできていないのでは」と毛糸の靴下を贈る計画を立てた。メンバー16人で7カ月かけ、100足を編み上げた。「冬本番までに間に合ってよかった。100足もできるとは思っていなかった」とメンバーの力を改めて感じている。
○…子育てがひと段落し、「好きな手芸ができる」と母親仲間から誘われ、南足柄市婦人会に参加した。2000年に婦人会のメンバーを中心に遊友が発足。介護予防デイサービスを市から委託されるようになり、08年まで手芸や料理、折り紙などができるデイサービス事業所として高齢者と関わった。民間の施設も増え、委託事業は終了したが「今でも当時の利用者さんに町で会うと『続けてほしかった』と声をかけられることがある」とさみしげな表情を浮かべた。
○…小田原生まれ。30歳で結婚し、南足柄市に嫁いだ。2人の息子も独立し、それぞれに男の子の孫も生まれた。「男ばかりの家だったので、せめて女らしくしようと思って」と、夫と暮らす家には人形、ペーパーフラワー、レース、押し花、折り紙など、手作りした小物がずらりと並ぶ。12年続けている小田原ちょうちんづくりでは、小学生や観光客相手に作り方を教える制作ボランティアとして活動している。
○…”介護予防デイサービス”という発足当初の役割がなくなった現在でも、「婦人会の時から一緒に活動してきた仲間で良き理解者。社会に対してできることをしながら、仲間とコミュニケーションを取る場として続けていきたい」と、月に一度の定例会は継続している。「発足当時40代、50代だったメンバーも高齢になってきたので、今度は自分たちのボケ防止のためですね」とおどけてみせた。