「ふる里回帰の文化を根付かせたい」――。
山北町の町立山北体育館で３月27日、２０１５年度に60歳の還暦を迎えた同級生が再出発の活躍を誓う「還暦式」が開催され83人が出席した。式典には湯川裕司町長や地元選出の代議士、参議院議員、県議らも集まり、還暦世代の新たな誓いに耳を傾けた。
元町役場職員で居酒屋「ポッポ駅前屋」を山北駅前で営む山崎勉さん（60）＝左上ら５人が企画、年明けから準備を始めた。「人生の再スタートに山北町の発展に努力することを誓うことで、ふるさと回帰の意識が芽生え、地方創生の一助にもなる」と、町長を前に宣誓書を読み上げる演出も用意した＝中段。
宣誓書には「ふと振り返るとこれほど素晴らしい環境がどんなに価値のある財産かと再確認した」「同窓生を貴重な財産とし、山北町の発展に努力し邁進する」と綴った。
式典であいさつした山崎さんは「私たちは昭和30年の合併で誕生した山北町と同じ歳。いわば山北町の１期生でもある。成人式が旅立ちなら、還暦式は『おかえりなさい』ということ。これを期に後輩たちにもこの文化を継承してもらえたら」とあいさつした。
40年前、結婚を機に町を出た沖縄県名護市の宮城あや子さん（60）は「向原で生まれた。昔とはだいぶ建物の様子が変わりましたが私にはいつまでもふる里です」と話していた。滋賀県大津市で市議会議員を務める佐藤弘さん（60）は「私は清水の出身。友人との再開を楽しみにしてきた。この様子を早速ツイッターで発信した」とふる里ＰＲに余念がなかった。
この日は山北、清水、三保の各中学校を卒業した同窓生が各校の校歌も合唱＝下段。山北町議会議長の府川輝夫さん、石田照子さんも同窓生と一緒に出席者として式に参加していた。
40年前には２４１人いた新成人は今年、１２４人まで減っている。
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