自宅の庭を一般に開放している 飯嶋 博さん 南足柄市狩野在住 68歳
ずっと花のある人生を
○…2012年からバラの咲く時季に合わせて約1週間、自宅の庭を開放。5回目となった今年も、多くのファンが足を運ぶ。「リピーターも多くて、私たち夫婦も励みになっている」と、穏やかな口調で話す。
○…生まれも育ちも狩野。子どもの頃は野山をかけ回っていた。「狩川で魚を捕まえたり泳いだり。山にはおむすびを持ってクワガタを捕りに行ったこともある」と当時を懐かしむ。自然が身近にあったせいか、大学時代はワンダーフォーゲル部に所属。山そのものよりも山野草が好きだというが、社会人になってからも登り続け、北は大雪山、南は屋久島の宮之浦岳などおよそ60峰を踏破した。妻を誘って登ることもあるが「今は庭の手入れが忙しくて行く時間がない」という。
○…花いっぱいの庭にしたい―。そう思ったのは人との繋がりの大切さを感じているから。「自治会活動や福祉の仕事に携わる中で、『向こう三軒両隣』の重要性を感じた。気軽に話せる環境を作りたくて」と真っ直ぐな視線を向ける。退職を機に故郷に戻り10年ほど前から庭づくりをはじめた。台風でツルバラのアーチが倒れるなどトラブルもあったが、庭づくりへの想いがこれまでの日々を支えた。
○…部屋の中には子どもの笑顔あふれる写真がいっぱい。写っているのは3歳から中学2年生までの孫5人。県外に住む子どもたちが、定期的に送ってくれるという。遊びに行くと「じぃじと一緒に足柄に行く」と泣かれるほど”良いおじいちゃん”。奥さんも花が好きになり、今では共通の趣味。「一緒にできることがあるのは嬉しい。動けなくなるまでずっと、二人三脚で続けたいね」と愛妻に微笑む。今後の目標は、『四季を愛でる会』の本格稼働。現在会員は自身と妻の2人。仲間と集い、季節を感じるひとときを楽しみしたいという。「庭の花や木を眺めたり、十五夜をしたり。星を見るのもいいね」とロマンは広がるばかり。
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