○…南足柄市の竹松・壗下地区に企業を誘致し、和田河原地区に良好な住環境を整備する足柄産業集積ビレッジ構想が推進協議会の発足で再び動き始めた。前市長の時代に開成町との連携だったが、これまで特筆すべき成果は出ていなかった。そこに「道の駅」を組み込み、ビレッジ構想の再起動に踏み出した市長の判断に決意の大きさをみた。企業誘致もさることながら農振農用地の除外や転用といった都市計画上の手続き、区画整理や開発に伴う造成や移転補償など労力と資金が短期間で必要となる。であればこそ、情報提供が重要となり、地権者や市民にとって「将来像」が描きやすい事業の進め方が求められる。
○…南足柄市には、今後の転換期となる小田原市との2市協議が控えている。小田原市とは合併も視野に入れた「中心市のあり方」を1年間で協議する。その点からも開成町と連携するビレッジ構想の「将来像」の明確化が肝心だ。小田原市にもその重要性を説き理解を得る必要がある。「将来像」とは単にこの構想にとどまらず、連動すべき都市計画道路千津島狩野線や南箱道路の整備、地蔵堂周辺にある地域資源の再資源化、その先の移住・定住促進対策にも目を向けるべきではないだろうか。
○…今年10月から始まる2市協議は、南足柄の今後50年に大きな影響を与える重要な局面になるといえる。協議ではやはり「合併の是非」が焦点となる。事務レベルではすでに「是」の方向性が示されているため、両市を一旦消滅させ新しい市を新設するか南足柄が小田原に編入するかで、より高度な政治判断が求められる。費用対効果を勘案すれば後者となるが、住民投票も十分に考えられる。
○…今後の協議や交渉では「南足柄の将来像」を小田原市側に丹念に示すことが重要だ。ビレッジ構想では誘致する業種を「未病関連産業」としたことは具体的で分かりやすく、そこには夢を描く要素がある。かつて市税収入を支えた富士フイルムは「第2創業」を掲げて新たな発展を遂げ、さらに進化を続けている。南足柄市にも、周辺の町に十分配慮しながら、その後をしっかりと追ってもらいたい。
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