6月1日のアユ釣り解禁を前に、酒匂川漁業協同組合(篠本幸彦組合長)が24日、試し釣りを実施した。この日の釣果は上々で篠本組合長は「昨年に続き遡上が多く豊漁が期待できる」と講評した。
この日の試し釣りは漁協関係者23人が、山北・松田・小田原のポイントで友釣り、どぶ釣り、ころがし釣りで行った。
大口グラウンド前では友釣りで20センチの大物があがり、岩流瀬橋から大口橋では3時間で27匹の釣果があった。4月から5月にかけて実施した遡上調査でも昨年とほぼ同じ約28万尾の遡上を確認したことから、漁協では「今年も良い釣果が期待できそう」としている。
漁協では4月から5月21日までに2・3トン(約16万尾)を放流し、7月までさらに2・2トンを放流する。今年は10月14日までのシーズンで昨年より8千人多い3万人の釣り客を見込んでいる。酒匂川でのアユ釣りには遊漁料が必要。 問い合わせは漁協【電話】0465・37・4277へ。
静岡県東部から神奈川県北西部の山北、松田、大井、小田原を流れる酒匂川は古くからアユが遡上する河川として知られている。
明治の作家で美食家としても知られた村井弦斎(1863〜1927)が小田原在住時に報知新聞に連載して人気を博した『食道楽』では「玉川より相模川、相模川より酒匂川の鮎が一層優る。酒匂川本流よりも河内川の支流でとれた鮎が美味い」と紹介された。
脂肪分が少なく酢の物にすると良いといい、旧東海道線の山北駅で販売された「鮎寿司」が人気を集め、飛ぶように売れたという。
小田原に住んだ北原白秋も民謡集『日本の笛』に綴った詩歌「山北」で「早も山北、ちらちら燈、汽車は夜の汽車、鮎の鮨」と編み、今年3月の山北町議会ではこうした「地域の文化的な歴史を活性化に活用してはどうか」(渡辺良孝氏)との提案もあった。
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