消防職員でつくる小田原市消防職員協議会(川久保昌彦会長)が21日、南足柄市内で講演会を開き、およそ30人の市民を前に災害ボランティアについて話をした。協議会から開催の打診を受けて南足柄市社会福祉協議会(森住敏逸会長)が関係者に参加を呼びかけ、市内関本のりんどう会館の一室を用意するなど後援した。
講師として参加したのは川久保昌彦会長(58)=足柄消防署中井出張所中隊長=、遠山孝志さん(45)=同山北出張所小隊長=、真壁賢一さん(41)=小田原消防署荻窪出張所小隊長=、舟木正勝さん(39)=足柄消防署岡本出張所小隊長=の4人。
講演では熊本地震を受けて今年5月にボランティアとして訪れた熊本での活動経験を踏まえ活動のポイントや課題などについて遠山さんが解説。「禁忌事項や常識を踏まえ『やりたいこと』よりも『できること』に取り組みたい」「スマートホンによるSNS活用の効果も大きいがデマにも気をつけてほしい」などと話した。真壁さんも「ボランティアセンターを運営する地元の社協がボランティアの要望で混乱した。被災者の思いを最優先して活動できるよう関係を築くことが大切」などと話した。
協議会は全国組織で県内には横浜市、川崎市、座間市、小田原市、箱根町にある。小田原市消防本部の職員約360人のうち約70人が所属している。
小田原市消防本部は2013年に小田原、南足柄、山北、松田、開成、大井、中井の2市5町が発足させた広域消防。小田原市内には小田原消防署、南町分署のほか4つの出張所があり、足柄上地区には足柄消防署(南足柄市怒田)、松田分署のほか、山北、岡本、中井に出張所がある。
協議会は公的補助を受けない任意団体で勤務時間外に勉強会や地域ボランティアにあたり、職場環境の改善や互いの研鑽を目的とし活動状況をブログやフェイスブックなどで発信している。公務での災害派遣の実績などを活かして災害ボランティアチーム「DARST」を結成し、公務上の待機命令が解除された5月を待ち熊本でも活動した。
講演会を後援した南足柄市社会福祉協議会の森住会長(72)は「災害時には私たち社協職員1人ひとりがキーマンになる。ありがたい呼びかけをいただき感謝している。災害時にボランティアセンターを設置する際の参考になる」と話した。 川久保会長は「公務のプラスになると信じて活動している。今後もこうした活動を積み重ね、災害に強い地域づくりに貢献していきたい」としている。
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