南足柄市ジオガイドの会の一員として箱根ジオパーク編入の取り組みに参加した 倉科 萌(めぐみ)さん 南足柄市怒田在住 32歳
「世界的な価値に気づいた」
○…9月9日の箱根ジオパーク編入に貢献した市民グループ「南足柄市ジオガイドの会」にジオガイドとして参加している。大学時代に専攻した地質学とガイド養成講座で得た知識を生かし、最終審査に影響する現地審査で文命堤のガイドを担った。説明に聴き入る審査員の反応に手ごたえを感じたが「発表を聞くまでは油断できなくて。結果を聞いて本当に嬉しかった」と満面の笑みをみせた。
○…茨城県出身。田んぼが一面に広がる地域で高校は片道12Kmの道のりを自転車で通った。「朝日も夕日も浴びていた」と笑う。高校生で地質学に興味を持った。利き手を怪我した時にこの言葉に出会い勇気づけられた。『自分自身は変化できないが進化はできる』この言葉が飛躍し「せっかくなら地球の進化を知りたい」となり、地質学を学べる静岡大学に進学。アメリカに渡り、石の性質を解析する研究もした。そのときに心がけていた「誰にでも分かりやすい解説」の心構えがジオ編入の活動にも生かせたという。
○…6年前、結婚を機に夫の実家がある南足柄市に移り住んだ。初めての土地への不安や出産、夫の単身赴任も重なり景色を見る余裕もなかった。生活に慣れたころ市の広報誌でジオガイド養成講座を知り地質学への想いが再燃した。朝4時に起き講座を復習し主婦業もこなしながらガイドをめざした。「まったく知らなかった南足柄の世界的な価値に気づき、やりたかった地質学もできた。南足柄に住めてよかった」という。
○…友だち家族とのキャンプに来ていた小学6年生の女の子に文命堤を解説した。その子が感動する姿に自分も感動をもらった。これからガイドツアーを重ね「参加者が自分の住む地域に興味を持つきっかけをつくること」が今後の目標だという。夫と、幼稚園に通う息子、夫の母との4人暮らし。電車好きな息子を連れて電車に乗り、眺めるのが休日の楽しみ。