酒匂川流域の井上酒造(大井町)と川西屋酒造店(山北町)がこのほど、小田原市桑原と鬼柳地区で栽培された米を100%原料に使用した酒を完成させ、10月1日の「日本酒の日」に合わせ出荷を始める。
酒匂川左岸の桑原・鬼柳地区は「県内唯一の野生メダカの生息地」とされ、市民団体「桑原めだか米の会」(山田純代表)が2001年からメダカなど水生生物の生態系を保護するため休耕田を活用した米作りに取り組んできた。
2013年に「一般社団法人おだわら農人めだかの郷」を設立して耕作面積を拡げ、現在は約2ヘクタールで、うるち米を含む約9・5トンのコメを栽培している。昨年は初めて酒米(吟のさと)づくりに挑戦し約1トンを収穫した。
その”メダカ米”ともいえる酒米での酒造りを打診された井上酒造と川西屋酒造店が快諾したことで商品化が実現した。
井上酒造(【電話】0465・82・0325)の井上寛代表は「微力ではあるが地元の農業をバックアップしたい」との思いから協力を申し出た。酒匂川の左岸でできた米にちなみ『左岸』として命名した純米吟醸は「柔らかくて爽やかな味に仕上がった」。
川西屋酒造店(【電話】0465・75・0009)は特別純米『丹沢山 小田原桑原』として販売する。真剣に取り組む会の姿を見て醸造を快諾した露木雅一代表は「小田原産の米を使うのは初めて。冷酒で、相模湾で獲れる魚と一緒に味わってもらえれば」と話す。
いずれも一升瓶と四合瓶で本数限定。取扱店は蔵元により異なる。
メダカ保護の活動に関する問い合わせは、めだかサポーターの会【携帯電話】090・9681・1848へ。
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