松田警察署(鎌田耕造署長)が高齢者の交通事故を未然に防ぐため、独自の注意喚起を強化している。
背景には松田署管内の南足柄市と大井町、松田町、山北町が「高齢者交通事故多発地域」に指定されたことがある。6月までに65歳以上の交通事故が多く発生した地域が指定され今年は16区市町が指定された。
8月までに管内で発生した交通事故248件のうち全体の4割近い96件(38・7%)で65歳以上が関係していた。過去5年間で比較しても今年の伸び率は顕著だ。
「他地域と比べて高齢者が自ら運転する機会が多い」と話すのは松田警察署交通課の黒木和英課長。「ドライバーの資質や道路状況の問題ではないと思う」と付け加える。
事故防止の取り組みとして街頭キャンペーンやイベント会場での呼びかけに取り組むが、こうした場では通行人に話しかけるためゆっくりと説明できない。
学校や地域の行事など子どもには時間を取って交通安全を指導する機会もあるが、大人を相手にする場合は免許更新時など機会が限られてしまう。
そこで松田署は、高齢者が住む自宅への直接訪問や、高齢者が集まる機会に警察官が足を運び注意喚起をしている。
9月末までに高齢者が住む58世帯を訪問し、95人に直接、交通安全を呼びかけた。高齢者ドライバーの事故原因で多い追突や出会いがしらの衝突などをあげ、「徐行」など具体的な注意点を伝えている。
昨年からは大井町が開く60歳以上が対象の介護予防事業にも警察官が足を運んでいる。大井町介護福祉課によると「分かりやすく、面白く説明してもらえるので好評」という。
黒木課長は「地域に足を運び地道に呼びかけることが事故の防止に繋がる」と話し、今後も個別訪問を続けて啓発していくという。
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