絵本作家で子どもの似顔絵を描き、5日からは個展を開催する 山田 花菜さん 南足柄市岩原在住 40歳
「世界中の子を描きたい」
○…南足柄市竹松の住宅地にある人気のカフェで、訪れる客に似顔絵を描く。別の特技を持つ幼なじみのママ友とコラボするイベントで描いている。告知するとすぐに定員になり、頻繁に足を運んでくれる参加者もいる。元気に店内を動き回る子どもを追いかけながら、パステルとサインペンですらすらと描き上げる似顔絵。子ども特有の輝く目で、今にも「ねぇママー」と語りかけてきそうな、温かなタッチが魅力だ。
○…小学校のタイムカプセルに、自画像とともに入れた夢は『漫画家』。少女マンガを読んでは絵を描いていた。絵本作家の専門学校に進学し、好きな事を学ぶ毎日は、「それはもう楽しかった」。卒業後、アルバイトをしながら創作活動を続け2003年、ついに絵本作家としてデビューした。「自分の描いた絵が本に印刷された喜びは忘れられない」と話す。初版では、自身の幼い頃の実体験を題材にした。
○…以前から「何をしていても可愛い」と子どもを描いてきた。6歳・3歳の2児のママとなり、作風は「よりリアルに近づいた」という。作品のアイデアは育児など日々の生活から「おもしろい種」を書き留めておく。育児のおもしろ話をスケッチし、ブログ『poco-a-poco』にアップするのが習慣だ。
○…夫との出会いは、たまたま同じツアーに参加した、イタリアでの「絵本の見本市」。「まさか結婚するとは」と話すが、付き合って4カ月での入籍だった。「神のように心優しい」と最大級の賛辞をおくる夫は、休みの日は妻の仕事をサポートし、育児にも積極的。絵描きに主婦やママの顔という忙しい中「仕事とは別」に似顔絵を描くのは「目の前で喜んでくれるのがうれしくて」。目を輝かせ「世界中の子どもたちを描きたい」と夢は広がる。5日から17日には小田原のカフェ・ミントココアで、「描きたいものを描いた」個展『こども風景』を開催する。