町への移住や定住を希望する人に最大14週間まで住まいを提供する山北町のお試し住宅「ホタルの家」が人気だ。9月まで予約で埋まり、半年待ちだという。
ホタルの家は16年6月にオープンした。町が空き家となった古民家を借り、2週間2万円(光熱水費込)で14週間を上限に貸し出している。山北駅から徒歩10分の静かな山間にあるお試し住宅は木造2階建ての7DK。家具や家電など生活に必要なものは最低限揃うため手軽だ。
町によると昨年6月から今年2月までの利用は8件23人で、2〜3人で2週間ほど生活する利用者が多い。60代が4件で最も多く、40代2件、30代と50代もいた。横浜と川崎からの利用が6件あり相模原と海老名からの利用もあったが県外からはない。
古民家への憧れや移住の下見など申込の理由は様々だが「田舎暮らし」を老後の楽しみにしている人が多くいる。実際にこの家で生活を経験して、町内で物件探しを続ける60代の夫婦もいる。加えて最近は「仕事があれば移住したい」とする現役世代の問い合わせも増えているようだ。
NPОふるさと回帰支援センターの調査によると、09年の調査開始以来「自然環境が良いところ」を移住先の条件にあげる人が最多だったが、16年は初めて「就労のあるところ」が上回った。地方創生の開始から3年が経ち現役世代の地方移住の動きも進んでいる。
良好な自然環境を求める従来の「田舎暮らし」から、現役世代が仕事を求める「地方暮らし」に移行する傾向もある。今後の利用者の動向にも注目が集まる。
問い合わせは山北町定住対策課【電話】0465・75・3650へ。
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