1947年から49年にかけて生まれたすべての団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年まであと8年―。病床数の不足が懸念されるなか、自宅での療養やリハビリ、「看取り」も支える訪問看護の役割が重要性を増している。5月12日の看護の日を前に、一般社団法人足柄上医師会(飛彈康則会長)に訪問看護の現状について話を聞いた。
開成町吉田島にある足柄上医師会の「訪問看護ステーション」には、看護師10人と理学療法士1人が在籍している。医療機関に行けない場合や退院後に通院ができないなど、主治医が訪問看護を必要と判断した場合などに利用できる。
足柄上医師会は地域医療への貢献として98年に訪問看護ステーションを開設した。当時は5人体制。国や自治体からの補助を受けずに運営している。
利用者数は毎年増加している。昨年度の利用者数は延べ1488人だった。1人の看護師が1日で6軒訪問することもある。今年の利用登録者数は4月末現在、120人超。そのうち8割を超える100人が24時間対応を希望している。早朝夜間は職員が交代でオンコール対応している。
最近は「自宅で最期を迎えたい」と望む利用者や家族も増え、その要望にも対応している。1994年から訪問看護を始めた南足柄市でも利用は増加傾向にあるという。
家族もサポート
訪問看護では利用者だけでなく、看護する家族も含めた生活環境のケアも担う。勤務6年目の大胡田良子さん(52)は「会話や行動など、利用者と接する中で認知症の疑いなどを感じることがある。看護をする家族が疲れていることもあるので、”気づき”が大切」と話す。
緊急時は24時間対応
訪問看護は年末年始と祝日を除く平日の午前8時半から午後5時まで。緊急時は24時間体制で対応する。南足柄市と足柄上郡5町に加え、4月からは小田原市の一部地域も訪問する。
料金は介護保険の場合は30分未満で463円、交通費無料、医療保険の場合は交通費と健康保険などの自己負担額。問い合わせは訪問看護ステーション【電話】83・5992へ。
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