南足柄市は6日、市長公約として2012年から進めている(仮称)道の駅「金太郎のふる里」整備事業で計画の進捗状況を明らかにした。当初「15年3月」とした完成時期は計画変更や用地交渉などを経てこれまで2度延期したが、今回も「19年度中」とする新たな見通しが明らかになった。
道の駅整備は「大型直売交流センター整備事業」として加藤市長1期目の2012年11月にスタート。当時の構想では14年度に着工して15年3月の完成を予定していた。建設費は総額3億3千万円で財源の2分の1に農林水産省からの補助金を見込んでいた。
当初の建設場所は同市壗下の生鮮食料品店の隣地で、農産物や加工品の販売で年間2億円の売上を見込む計画だったが、議会などから経営面に対する指摘が相次ぎ計画が難航した。
県との調整
そうしたなか14年3月に県が「未病」をテーマにした県西地域活性化プロジェクトを発表。半年後の9月に市はこれまでの方針を転換し、国の地方創生とも連携した「道の駅」を整備する方針に計画を変更した。
これに伴い建設場所を同市竹松の農業振興地域内に変更したため、開発規制が特に厳しい農業振興地域からの除外と「道の駅」への転用許可(農転)に向けて、県との調整を進めている。
そのため2017年度当初予算には造成や本体工事などにかかる建設費の予算計上を見送り、県との事前調整を本格化させている。
1億円増
2012年に見込んだ建設費は3億3千万円だったが、最新の積算で4億3千万円に増えた。1億円の増加要因について市の担当者は「東京五輪による建設資材や労務費の高騰」をあげたが「削減に努める」としている。この建設費はすでに執行した各種計画策定や設計費用を除き、今後必要となる敷地造成、本体建設、設備、道路・外構工事などを積算した額という。
優良農地に道の駅を建設するには規制解除に高度な調整が求められ、着工から完成まで2年程度を要するため、市は年度内には規制解除を実現させたい考え。ほかにも着工に向け財源確保の課題も残っている。
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