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足柄版 公開:2017年9月16日 エリアトップへ

松田町議会 タウンレポート なぜ9月に質問者激減? 4年に一度、定例会の”珍”傾向

政治

公開:2017年9月16日

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 松田町議会(井上栄一議長、定数12)の第3回定例会初日、13日の本会議で行われた一般質問に登壇した議員がわずか3人だった。前回の6月定例会までは10人前後が常に登壇していた議会に何が起こったのか。

 市町村議会では、行政運営の課題や政策の方針などを首長に直接ただす「一般質問」が年4回の定例会ごとにある。住民が傍聴できる本会議での論戦は、市議会を中心にインターネット中継されている。

 一般質問は重要な議題で正確な答弁が求められる。そのため多くの議会では議員の質問を事前に理事者側へ通告する。こうした質疑もさることながら一般質問は、議員が自らの政治信条を語り、地域の課題を指摘し、解決へと導く政策を披露する場でもある。そのため住民にとっては議員活動や首長の政治姿勢を確かめる、身近で重要な機会ともいえる。

毎回10人前後

 議会運営に専念する議長を除き、すべての議員が一般質問に立つことができるが、議会によっては、副議長や監査委員(議会選出)、議会運営委員長などは質問を自粛するケースもある。

 松田町議会は議長を除く11人全員が登壇でき、原則として3・6・9・12月の年4回の定例会初日に一般質問を行う。通告締切は原則1ヵ月前で議案に関するタイムリーな質問はしにくい慣例がある。

 2015年9月に改選した現在の松田町議会では、今年8月までに7回の定例会が開かれた。このすべてに登壇しているのは1期目の平野由里子氏、田代実氏、南雲まさ子氏と、3期目の中野博氏の4人だが、ほかの7人も全員が5回以上、質問している。

 このように毎回10人前後の議員が質問に登壇する松田町議会の定例会では4年に一度、町長選挙の直後に行われる9月定例会の登壇者が激減する傾向がある。

 町長選挙の3日後、9月13日の一般質問には3人(平野由里子氏、南雲まさ子氏、大舘秀孝氏)が登壇したが、前回2013年の町長選挙の直後は登壇者がいないまま定例会が閉会した。2009年は8月30日に町長選挙が行われたためか、9月定例会には8人が登壇していた。

町長選3日後

 今回、松田町長の任期満了日は9月22日だった。そのため松田町選挙管理委員会(大舘達治委員長)は5月8日に選挙日程を「9月5日告示、10日投票」と決めた。一方、松田町議会運営委員会(小澤啓司委員長)は、9月6日に会議を開き第3回定例会の開会日を「9月13日」と決めた。

 結果として事前通告が困難になり質問を回避する議員が増えた、との見方もできる。こうした課題を議会と行政が協力して改善しない限り、町長選挙のたびに毎回9月定例会が有効に機能しない状態が今後も続く懸念がある。

 この指摘について、町の元幹部で議会事務局長も経験した井上栄一議長(1期)は「一般質問を行うかどうかは議員個人の判断で議会運営の影響はない。定例会の日程は町側との調整が必要で9月は次年度の予算編成にとって重要な決算審査もある」としている。

 町民が議員の活動内容を知るには年4回発行の議会だよりのほか、議員による広報広聴活動によるところが大きい。そうした松田町議会において、一般質問を町民が直接傍聴する機会の意義は大きい。

 松田町は9月10日の町長選挙で過去最低の投票率を更新した。この傾向に歯止めをかけるためにも、こうした些細な傾向にも目を向ける必要がありそうだ。
 

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