あしがら写中 Vol.24
これからのこと▽南足柄市と小田原市による事実上の任意合併協議が8月に終わり、両市で市民説明会があった。南足柄市の説明会には全7回で延べ700人が出席したがそれでも有権者の2%にも満たない▽現時点では【1】小田原市長と両市幹部の考えは「2市合併」、【2】南足柄市長と市議会は意思を示していない。説明会の取材からは、合併の賛否を判断する材料や市民目線に立った解説が不足している実態も見える。こうしたなか数千万円をかけて合併の是非を問う全戸調査や住民投票を実施するのは時期尚早で、協議会の認知度などをアンケート調査で確かめる市の取り組みは妥当と言えそうだ▽今後はこんな手もある。ここはあえて小田原市との法定合併協議会を設置して協議を進めつつ、行政や市長、議員が課題や考えを市民に発信して1年7カ月後の統一地方選挙を迎える。おのずと争点化され選挙結果による住民の意思が地方政治に反映される。平成の大合併では、法定協議に進んだ657件の内、16%にあたる107件が未合併で協議が終了している。協議はあくまで対等な交渉であり、合意も決裂もあり得る。