開成町に事業所をもつ社会福祉法人一燈会(山室清彦理事長)が、開成町ゆかりの里芋「開成弥一芋」の生産に乗り出す。開成町みなみに同法人が開設した障害児・者施設「トゥモローランド開成みなみ」が担い手となる。
開成弥一芋は、1903年に金井島出身の高井弥一郎氏が小田原の常念寺の住職から種芋を譲り受けたことをきっかけに栽培が始まった。「粘りがあってしっとりと甘い」と戦前までは関東一円でさかんに栽培されたが戦後の飽食時代と共に生産量が激減した。
伝統的な食文化を守ろうと2011年に有志の地元農家が「開成弥一芋研究会」(武藤忠治会長)を結成。13年には開成町やJAかながわ西湘、イオンリテール(株)、神奈川県農業技術センターも協力してブランド化や生産振興、販売促進に協働で取り組んでいる。
開成町によると町内のマックスバリュなど県内のイオングループで販売し、今年度は16トンを出荷予定。
弥一芋の生産を始める一橙会は、足柄上地区を中心に介護老人福祉施設や障害児・者施設を展開する社会福祉法人で、10月1日に開設した「トゥモローランド開成みなみ」は、就労継続支援B型と放課後等デイサービスの多機能型施設。
開設にあたり地域に根差した就労事業を模索する中で担い手不足の課題を抱える農業に注目した。町から研究会を紹介され、官民あげた取り組みに参加し、まずは研究会の作業を手伝いながら技術を取得し、増産の一助としたい考え。
生産拡大に期待
10月1日の「トゥモローランド開成みなみ」の開所式で山室理事長は「地域の皆さんの期待に応え、未来を担う子どもたちが自分の人生を切り拓けるよう全力で応援したい」とあいさつした。
開成町産業振興課は「泥落としやヒゲ取りなど、弥一芋づくりは手作業が多く労力がかかる。需要も高く、出荷量をもっと増やしたいと考えていたのでありがたい」と参入を歓迎した。
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