足柄平野の北端にある標高720メートルの大野山で育った足柄牛の出荷がこのほど始まった。県立大野山乳牛育成牧場の廃止を受けて昨年4月に参入した食肉卸業の(株)門屋食肉商事は今後、500頭規模の牧場とする考えだ。
足柄牛は、今から25年ほど前に足柄上郡と秦野市西部の畜産農家30軒がJAと協力して生産者組合をつくり生産を始めた、黒毛和牛とホルスタイン種の交雑種の肉牛。2004年には「かながわブランド」に認定され、現在は生産者推進協議会がブランドを守り主に県内で消費される地産地消ブランド。
後継者不足により25年間で生産者が9軒まで減り、危機感を募らせた卸売販売業の(株)門屋食肉商事(小田原市鬼柳)が生産に乗り出した。2016年3月に県が廃止した大野山(山北町皆瀬川)の県立大野山乳牛育成牧場の跡地活用に応募し、牛舎などを県から借り受け同年4月に「大野山かどやファーム」を開業。足柄牛の生産を始めた。
毎月8〜10頭の子牛(生後10カ月)を群馬県館林市から仕入れ、大野山の牛舎で肥育している。
子牛の時期に与える牧草に足柄茶の粉末を混ぜるのが足柄牛の特徴でお茶に含まれるカテキンが関節や骨などの障害を防ぎ骨格の成長に役立つという。
今年11月10日に大野山産の足柄牛第1号の出荷が始まったが、8月の神奈川県肉牛共進会で入賞。10月の関東肉牛枝肉共進会に進むと、最優秀賞の次席にあたる一等一席を受賞し高評価を受けた。
(株)門屋食肉商事の二宮慶晃社長は「12月1日までに12頭を出荷した。100頭の肥育体制を500頭まで拡大し安定生産していきたい」としている。
購入の問い合わせは同社【電話】0465・39・1129へ。
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