若葉の季節にまた会おう 湯河原小学校の1年生が万葉公園でホタル幼虫を放流
フナムシに似た体長2・5センチほどの小さな命。子どもたちはトレイに載ったゲンジボタルの幼虫を手に「また会おうな」「これが飛ぶのかな」とつぶやき、水に放した。7日に万葉公園で放流されたのは1万頭の「終齢幼虫」(匹とは呼ばない)。昨年7月にふ化したもので、脱皮を繰り返しながら大きくなり、4月ごろ土中でサナギになる。羽化は5月下旬〜6月で「ほたるの宴」の時期に公園の夜を彩る。
現在、湯河原温泉観光協会が主催している放流事業のルーツは、昭和40年代後期まで遡る。当時旅館街の若手による「若葉会」が、町にホタルを復活させようと研究会を発足させた。幼虫が食べるカワニナを増やすために県の自然環境保全センターなどに通い、試行錯誤を重ねたという。当初は不動滝で成虫を放していたが、15年ほど前から育てた幼虫を児童の手で放すようになり、今はすっかり小学校の恒例行事となった。
放流前の事前授業でホタルの一生について語った鎌田茂之さん(58)は、「この町の子はほぼ全員、ホタルやアユを見て育っている。難しいことは別にして、まず生き物に感動してくれれば嬉しい」と語っていた。
|
|
|
|
|
|