吉村作治早大名誉教授 箱根でエジプト談義
早稲田大学名誉教授でエジプト考古学の代名詞的存在である吉村作治さんが3日に箱根ホテル小涌園を訪れ、トークショーを繰り広げた。吉村さんはマイクを手にエジプト現地情勢や発掘への思いを熱弁。箱根に来ている事を忘れさせる談義に大勢の観光客を引き込んでいた。吉村さんは小涌園ユネッサンで開催されている古代エジプトトリックアート展の監修も担当している。トーク終了後に同展への思いを聞いた。
Q アート展が好評ですね
箱根でやるのは初めてなので思い入れは深いです。子どもが楽しんでいるのを見ると嬉しい。私は10歳で考古学の世界に引き込まれた。アートが入口になって子どもたちがエジプトに興味を持ってくれれば。数十年後のエジプト考古学界は明るいですよ。
Q 箱根に来たのは初ですか
高校時代からよく来ていて、ゆかりのある地です。エジプト考古学の関係者を箱根に招くのですが、緑に包まれた芦ノ湖はすごく喜ばれます。カイロの近くにも湖はあるけど殺風景だから。現地でも「ハコネ」という単語が出ますよ。箱根の名をエジプトで広めているのは私ですから。
Q 古代エジプト人が温泉に入った記録はありますか
彼らはナイルの水で体を洗っていました。温泉には入っていませんね。湯船につかる習慣は日本のように湿度のある土地ならではのものだと思います。