戦前の動画 ネット上に
吉浜や芦ノ湖、登山鉄道も
インターネットの動画サイト「ユーチューブ」で昭和12年頃の湯河原や箱根の8ミリ映像が掲載され、千回以上も再生されている。撮影したのは舞台背景画作家として活躍した故・繁岡鑒一(けんいち)氏(1895〜1988年)。浅草出身で東京美術学校(現在の東京芸大)を卒業後、帝国ホテルの壁画や、歌舞伎舞台の背景画などを手掛け、強羅ホテルや川奈ホテルのグッズのデザインなども手掛けた人物だ。音声はないが、吉浜海岸の映像には浮き輪を手にした子供たちが波間で遊び、エスポット付近も埋め立て前と思われる風景が映し出される。箱根の動画には芦ノ湖の観光船が賑わう光景も。ケーブルカーを早雲山まで登った後は、当時の明神ヶ岳などの稜線を辿ってゆく。「父は湯河原や東海道線の風景が好きで、撮影に行っては自宅で上映会を開きました」と繁岡氏の次女・春子さん(横浜市鶴見区)。ブリキの缶に入ったフィルム映像は数年前にビデオテープ化。孫の剛さんが2年前にインターネットに投稿したところ、累計4万7千回も再生されるようになった。小田原〜湯河原〜網代の東海道線の車窓を収めた映像「春風を切てツバメ号は走る」には「これはすごいに尽きる」「感激した」などのコメントが寄せられた。春子さんは「舞台や絵葉書などの仕事に役立てるために撮影したんだと思います。こんなに沢山の方に観て頂いて父も喜んでいるはず」と語った。■閲覧方法…インターネット「ユーチューブ」にアクセスし「繁岡ケンイチ」を検索を。
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