箱根町 中国系観光客数、春節も低調 バス運転手「震災前の1割〜3割程度」
「尖閣の一件から、ぱったり」
今月10日頃から春節シーズンに入り、箱根の湖畔などが中国人観光客で賑わいを見せた。桃源台ターミナルでは10日から12日まで餅つきや獅子舞などで歓迎、大涌谷の遊歩道には中国語が飛び交い、マフラーや毛糸帽に身を包んだタイ人観光客なども見受けられた。この時期はフロントガラスに「0211」「0210」など英字や数字を掲げる観光バスが多い。どれも中国人系ツアーで、数字が示しているのは出発日だ。一見賑わいを見せる大涌谷だが、バスの運転手たちは一様に「厳しさ」を口にした。「震災前の1割〜3割程度かな」「昨年よりもダメ」「昨年秋の尖閣の一件からぱったり、春節でも変わらない」。震災前はバスが入りきれないほどの人気だった平和公園(乙女峠近く)も3〜5台程度とまばらで、回復の兆しは伺えなかった。
中国系ツアーの多くは芦ノ湖と大涌谷をピンポイントで訪れる程度で、あくまでも箱根は中継地点。伊豆半島の桜やぐりんぱ(裾野)、忍野八海(山梨県忍野村)などに立ち寄る弾丸ツアーが多く、以前と変わらず宿泊は富士山を望む河口湖が好まれる。町内のホテル事業者の間には「影響はほとんどない、あっても交通関係の一部」など静観する声も多い。