湯河原 舞台ふくらます風船名人 ぶらん市でも注目…山谷ともこさん(吉浜)
湯河原・明店街イベント「ぶらん市」(先月26日)の一角で風船アートが注目を集めた。長さ1mほどにふくらませたバルーンをキュキュッとひねり、あっという間に子犬が完成。達人・山谷ともこさん(吉浜在住)の普段の顔は、スーパーでの惣菜調理担当だ。
「小学生のころ、自宅によく富山から薬売りが訪問販売に来たんです。その時にもらえる紙の風船が嬉しくてね」。再び風船に惹きこまれたのは10年ほど前。仕事場の同僚に誘われて東京都中野区のバルーン教室を訪れた。作ってみると楽しく、家の近所に風船専門店も見つけ「やらないわけにはいかない」と決心。参考書を片手に修行しながら、小学校の納涼イベントで初舞台を踏んだ。その後障がい者デイサービス施設などにも舞台を広げ、2年前に湯河原に転居してからは毎月、子育てサロンで風船を膨らませている。
今のレパートリーは犬やネズミなど約300種類。男の子には「剣」が人気。赤ちゃんの腕に風船の腕輪をつけてあげると喜んでくれる。2〜3色の風船を組み合わせる事もできるが、1人に複数使うのは不公平と「風船1本」にこだわる。受け取った子どもが「ありがとう」を言えるまでは手を離さない。
「形作るためには吹き込む空気が大事なんです。加減次第で犬を作っても間抜けな犬になったり。それはそれで良いけど」。10年続いたのは、商売ではなくボランティアに徹したから。両手を忙しく動かしながら「呼ばれれば、どこにでも行きますよ〜」。
山谷さんの連絡先【電話】0465・63・9116