箱根の解けない雪「今度降ったら…」 置き場がない
14日夕方から降り始めた雪は前週の残雪に重なり、翌15日には元箱根で平地でも膝程度の積雪となった。住宅の間などの吹き溜まりは2m近くに達した。
箱根は降雪から2日後の17日も全町で通行止めとなり、標高の高い元箱根や仙石原、強羅などでは道路脇に雪がうず高く積まれた。飲食店経営の男性は雪の壁を前に「解けてくれない。また降ったら雪の置き場所がなくなる」とつぶやいた。道幅は狭くなり、車もお互い譲り合って走る状況。元箱根観光協会の小林憲夫会長は「こんなのは40年ぶり、いや初めてかも」と驚いた様子。取材中、記者が町内のコンビニに立ち寄ると店員は開口一番「お客様は運がいい」と笑顔を見せた。いつもは並ぶ弁当やおにぎり類が売り切れ、やっと入荷したところだった。
強羅〜湯本間歩く観光客
年配の町民数人に食料品について聞くと「天気予報をチェックして買い出しを済ませた」人が多かった。一方で「箱根では食材から灯油まで宅配してもらうお年寄りが多い。灯油が買えず、重ね着して耐えているお年寄りがいる」(強羅の観光関係者)という声も。元箱根の飲食店主は「ただでさえきつい2月に連続の雪、これは災害だ」とうなだれた。雪で路線バスが運休を余儀なくされたこともあり、観光客の一部は強羅から湯本までの長距離を歩いて下ったり、湯本から湯本茶屋や塔ノ沢にむかって歩き出す姿もあった。また湯本駅前では旅館へのタクシーを数時間にわたって寒さに耐えながら待ち続ける観光客も多く、あじさい橋の上は対岸の湯本富士屋ホテルまで続く大行列に。これを見た箱根登山ハイヤーの社員が使い捨てカイロ数百個を配り歩いた。箱根板橋の日曜大工店・ビーバートザンによると2週間で70セット以上のチェーンが売れ、値段も度外視して買い求める人が相次いだという。同店では「車種ごとにサイズが違う。ぴったりの在庫が必ずあるとは限らない」と語っていた。箱根ではこの2週間で8人が雪による転倒などで救急搬送された。
湯河原でもタクシー行列
湯河原町と真鶴も2週連続で10cmを超える雪が積もった。本格的な雪景色となったものの、2町では8日から18日までの間で転倒などのケガによる搬送は1件も発生しなかった。8日、エスポット近くのガソリンスタンドではチェーンを買い求める人が相次ぎ、ホームセンターハンディの屋内駐車場のあちこちで、チェーン装着に四苦八苦する姿が見受けられた。
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