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3周年を迎え、入館料を無料にした真鶴アートミュージアムの館主 福田 晃子さん 湯河原町在住 33歳

公開:2014年5月23日

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美術館に「脚」はやす

 ○…被災地・岩手県大船渡市の文化会館に、今年4月、岡本太郎やルノワールなどの作品を持ち込んだ。その名も「出張美術館」。パネルを立てた程度の即席会場だったが地元高校生もボランティアで運営に加わり、市の人口の10%、約3千人が来館した。「美術鑑賞をしたいけど、高齢者や子どものように行けない人がいる。だったらこっちから行こう、と」。従来の美術館像を塗り替えながらも、さらりと振り返った。

 ○…那須塩原市出身。自宅には物心ついた頃から、大小約2千体の「こけし」があった。ある日、押入れだった部分が改築され、ガラス戸つきの展示コーナーになった事も。なぜこういう家になったのか、理由は定かではないが「鳴子」「南部」など奥深いこけしワールドをのぞいて育つ。那須は湯河原や箱根のような温泉地で、自宅近くには御用邸や美術館があった。ただ、親の方針で小遣いはゼロ。「中に入りたい」。憧れが重なり、いつしか「夢は学芸員」に変わった。

 ○…「美術史を学べる」という理由で東京女子大学に進学し学芸員資格を取得。やっと夢が現実化するはずだったが、肝心の就職先が難関だった。宇都宮子ども博物館や新宿の平和記念展示資料館でアルバイトしながら、3年ほど前に念願の就職が決定。単なる学芸員ではなく「やってごらん」というオーナーの勧めで、旅館を改築した「真鶴アートミュージアム」の館主に就任。オープン当時の初々しい館主から、今は美術への愛情に突き動かされるプロの顔に変わった。

 ○…開館3周年を期に入館料の無料化を決めた。運営費はグッズや展示品の一部を商品として販売したり、寄付を募ってまかなうという。「こっちもハラハラです。でもこれで、沢山の人に何度でも美術に親しんでもらえます」。美術館の殻を破って脚が生え、今度は何が飛び出るか。真鶴半島の高台で、館主は今日もアイデアを温めている。

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