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仙石原女性会の会長を務める 佐藤 章子さん 仙石原在住 68歳

公開:2015年4月24日

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寒さにほころぶ花のように

 ○…昭和22年から続く伝統の仙石原女性会。3年前に会長になってから、独自の新聞発行や桜の植樹、おもてなし英会話講座などを企画してきた。街角で外国人を見かけると、習った英語で話しかけずにはいられない。ユニークなアイデアの源泉は「人口が減っている今だからこそ、ご近所の絆を強めなくては」という思い。周りは静寂な別荘地だが、ここに住む大学教授や海外赴任経験者が快く講師を引き受けてくれた。

 〇…仙石原小・中学校出身。4人姉妹の末っ子で、ススキ草原の隣にあった旅館で育った。接客の切り盛りをしていたのが祖母・ショウさん。日本初の女性薬剤師であり、女性用発毛薬も開発した起業家で、憧れの存在だった。「人が好きで誰とでも会話を合わせられる人でしたね」。畳の縁を踏まない、男性の後ろを三歩下がって歩くなど、女性としての振る舞いも徹底的に教え込まれた。

 〇…夫・憲一さんと結婚後、二人の念願だった独立を果たし設備会社を立ち上げた。しかし、ようやく軌道にのった7年後に憲一さんが病で他界。もともと男社会の現場で「女のくせに」という声も耳に入った。「すべては体験学習」と自分に言い聞かせながら、「どうして」と遺影に語りかけた日も。社員の支えもあり、今は会社を息子の充さんが受け継いでいる。「先に逝った人は、助けたくてもできないから、辛かったはず」。荷が軽くなり、数年前に念願だった慶応大文学部の通信過程で学び始めた。

 〇…「東京五輪までに千本の桜を咲かせ、桜まつりで観光客を迎えたい」。先月22日に公時神社で行われた植樹には地域住民や外国人観光客も飛び入り参加、早くも目標を達成したような賑わいに。植えたのは80本のマメザクラ。「寒さに耐えた後、うつむき気味に咲くのが可愛い」と微笑んだ。ススキ草原だけではない仙石原へ。おもてなしと絆の種をまくため、今日も町を耕している。

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