山北で撮影カンヌ受賞
昨年5月に山北町内で撮影され、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待された黒沢清監督作品『岸辺の旅』が、現地時間の23日(日本時間24日)に監督賞を受賞した。
映画は10月1日公開。失踪から3年が経ったある日、夫(浅野忠信)が突然、妻(深津絵里)の目の前に現れ、3年間で世話になった人々を訪ね旅に出る物語。
町内での撮影は約2週間続いた。本編では山北駅前通りのほか鉄道公園や住宅地、JR御殿場線「谷峨駅」も登場し、谷峨駅のシーンはカンヌ国際映画祭公式サイトのフランス語プレス資料に掲載されている。
山北町の湯川町長は「山北で撮影した作品が国際的な賞を受賞されとても嬉しい。黒沢監督に心からお祝い申し上げたい。映画を観た人が町内のロケ地を巡ってもらえたら嬉しい」と喜びを語った。
山北駅前通り「丸善露木商店」の露木隆丸さん(59)は昨年5月の撮影で女優の深津絵里さんと共演。「深津さんと一緒にレジからお金を出す練習をした。『緊張しませんね』と声をかけられた。楽しい経験をさせてもらった。カンヌへ出品することをスタッフから聞き結果を楽しみにしていた」と、興奮冷めやらぬ様子で話した。