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創立90周年を迎えた湯河原はり・灸・マッサージ師会の会長 田代 広伸さん 湯河原町鍛冶屋在住 59歳

公開:2015年11月20日

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恩師が歩いた道をゆく

 ○…会は大正15年創立。長い歴史の中でマラソン大会や被災地などでのボランティア施術など、地道な人助けを積み重ねている。24代目の会長は重責ながらも飄々と、カフェのマスターといった人柄だ。聞けば心筋梗塞で4度も手術し、先月復帰したばかり。「手術にかかったお金は、一部自己負担で残りは国の税金。ありがたい事だけど、健康であれば必要なかった。改めて未病を治す事の大切さが分かった」。90周年式典のスピーチも、こんな飾らない内容だった。 

 〇…鹿児島県霧島市出身。少年時代に出会った「近所のおばちゃん」を今でも師匠として仰ぐ。その人は目が不自由だったが、鍼灸で夜尿症を治してくれた事がきっかけで肩を貸すようになった。何があっても怒らず、お腹を空かせるとご飯をごちそうしてくれる「神様のような」人物だった。高校卒業後は20代まで大阪の大手ゼネコンで働いていた。コンクリートなどを計算する現場監督で、当時施工を手掛けた建造物はすべて阪神大震災を乗り越えてくれた。今も測量士の資格を持っている。

 ○…建築畑から鍼灸の世界に飛び込んだのは偶然か、おばちゃんの声が聞こえたのだろうか。「話すと長いけど、友達に東京に遊びに行こうって誘われてね、行った先が鍼灸学校。着いたらもう、入学する事になってた」。真鶴町に開業し、看板は故郷の名前にちなんで「霧島治療院」に。地元の石材関係者をはじめ患者が少しずつ増え、現在は湯河原に拠点を移している。

 ○…仕事以外では国際交流に余念がない。カンボジア人少年のホームステイを受け入れた事もあり、今の夢はアンコール・ワット近くにマッサージ学校を創ること。子どもたちが観光客向けの施術で自立できる道を、5年以内に作りたいという。「困ってたら助けるのが当たり前。おばちゃんもそうだったから」。師匠の背中を追うように、てくてくと目標に近づいている。

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