27日まで開催中の「真鶴まちなーれ」実行委員長を務める 卜部 美穂子さん 真鶴町在住 33歳
港町に溶けこむ
○…酒屋の蔵や貴船祭りのお仮屋(殿)など、真鶴港を中心とした街のあちこちで個性的なアート作品に出会える「まちなーれ」の実行委員長。準備期間中は1歳のわが子をベビーカーにのせ、商店や旅館などを挨拶まわりしていた。2回目となる今年は単なるアート展示会ではなく、ガイドツアーやワークショップを盛り込み、ライブなども楽しめるのが売り。ちなみに自身もcici(シシ)という出演バンドのメンバーのひとり。「坂」や「階段」など真鶴に似合う歌詞の曲を選んでカバーした。「このイベントがきっかけになれば。真鶴の良さは、人と関わることで伝わるので」
○…埼玉県秩父市出身。物心ついた頃から自宅にオルガンがあり独学で弾きはじめた。その縁あって小学生から高校生までマーチングバンドに所属。仲間と息を合わせてV字や斜めに隊列に変え、迫力の演奏で観客を楽しませる。長く続けられたのは、メンバーがお互い兄妹のように面倒をみあう「大家族」だったから。高校卒業後は立教大に進学し、大学院で「障がいのある人がどう地域で気持ちよく暮らせるか」をテーマに研究した。北海道の町に居候し、作業所で昆布の袋詰めやカフェの接客などを見学。障がいの有無に関わらず働く人々を目の当たりにした。「多様性のある町だなぁと。真鶴に来たときも、多様性を感じたんです」
○…6年前、町の非常勤職員として空地・空家の調査を担当したのが真鶴との”ご縁”の始まり。歩けば歩くほどご近所の仲の良さが伝わってくる。その後町職員と結婚し、1年前に出産。「人と人との距離が近いし、子育てをするならここしかない」と決めていたという。それまで魚をさばく事もなかったが、今ではアジのなめろうも出せる腕前。古い民家を改築した自宅にはレトロな家具が並び、照明も暗めでギャラリーのよう。窓から一望する港町が、大きな風景画のように映えていた。
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