岩のミカン畑だった斜面に、約6千平方メートルのオリーブ園が誕生した。4年ほど前に転居した町民が発起人となり、町の新ブランド化や1次産業に2、3次を加えた「6次産業」を生む挑戦を始める。
「塩漬けが好き」町長も激励
農場を運営するのは町内に住む山平和子さん(70)と今井賢一さん(84)。山平さんは相模原市内で野菜の水耕栽培などを手掛けた経験もあり、数年前から真鶴での事業を検討。ミカンよりも実が軽く収穫しやすいオリーブ栽培を決めた。
農地は20年ほど手つかずだったミカン畑で、昨年6月から伐り開き、今年2月から植樹。近所の知人など約10人が助っ人として集まり、苗を土におろした。
県内のオリーブ栽培は二宮町や湯河原町でも始まっており、真鶴町でもオリーブを新名産品にするため苗購入を助成している。今月15日には宇賀一章町長が訪れ山平さんらを激励。「真鶴が、オリーブを育てて楽しむメッカになれば。自宅にも植えたい」と話した。町長は晩酌でオリーブの塩漬けをよく食べるという。
今回植えられたオリーブは9品種で、今後はどれが最も真鶴の地に合うかも確かめる。果実はピクルスやオイル、石鹸などにも加工でき、葉はオリーブティーとして活用できるなど、活用の幅が広い。「すでに販路はある。販売先は心配ない」と山本さん。高さのある苗もあり、早ければ今秋にも実を結びそうだ。