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29日に檜ホールで演奏会を開く「クワイア・ジョイ」の代表を務める 狩野 宣子さん 湯河原町土肥在住 73歳

公開:2016年5月27日

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全身全霊で、ひとつに

 ○…町音楽祭や小田原市民合唱祭など、町内外で活動する「クワイア・ジョイ」の代表。もうすぐ30周年の節目ともいえる、檜ホールでの公演。使い込んだ楽譜をひらくと「声を口の奥に移す」「ブレス」「歯をとがらす」などのメモが書きこまれていた。単に喉で声を出すのではなく、体全体をひとつの楽器として奏でる、そういう意味も「演奏会」のタイトルに込めた。「作詞・作曲者の思いを客席に伝えたい。いい歌詞があると、歌いながら涙が出ちゃうこともあります」。

 ○…故郷は横浜・本牧。当時は自宅近くに進駐軍の住宅が広がっていた。父・校(ただし)さんは警察官だったが終戦間際に出征し、2歳の頃に戦死。母・いわこさんは洋裁が得意で、キューピー人形のために小さな布団を作ったり、洋服を縫ってくれる優しい人だった。その母も体が弱く、中学生の時に他界してしまう。「学校近くの夏祭り会場で歌っていたのが、磯子出身の美空ひばりだった」。映写機を少しずつ回すように思い出をたどった。 

 ○…高校を卒業後は長い間企業の経理で働き、今でも非常勤業務で都内の企業に通う。20年前に買ったワープロが仕事の相棒だ。「今のパソコンは機能が多すぎ」と敬遠するのに「一太郎」や「書院」といった懐かしい単語が次々と出る。湯河原のマンションへ移住したのは10年前。「窓から見た千歳川と泉地区が1枚の名画のようで決めました。河岸には鳥もやってくるし、雨上がりの景色もきれい」。

 ○…移住後、念願だったコーラスを始めようとクワイア・ジョイに参加して10年。教会の礼拝堂で練習していると指揮者が天を指さし「倍音(ばいおん)が聞こえる」と言う時がある。単に声を合わせたのではなく、耳に聞こえない何かが共に響く、本当のハーモニーだ。クワイア・ジョイとは、歌う喜びが歌い手と聴き手を包む状態を意味するという。本番で神々しい一瞬は到来するのか。

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