旧湯河原中学校グラウンド(中央)にJCHO湯河原病院(宮上)を移す準備が着々と進んでいる。3月にはJCHOへの売却が決まり、プールや照明塔などを撤去した上で年度内に引き渡される見通しとなった。
同病院は温泉場近くの高台にあるが、建物の一部が老朽化。一部が急傾斜地崩壊警戒区域で建替えが難しく、県道からの道が急坂な点などを理由に移転先としてグラウンドの取得を町に打診していた。その後グラウンド条例は廃止され用途を変更、3月にはグラウンド約1万8千平方メートルを約8億9千万円で売却する契約を議会が議決した。契約には10年間グラウンドが転売できない条項なども含んでいる。
今後は基本設計や実施設計などを経て施工に至る見込みで、順調にいけば2020年に移転する。ただ病院側によると天災の影響や資材調達の関連で変更する可能性もあるという。病床数は県の意向などもあり244床から縮小する可能性もあるが、6つの診療科は維持する方針。計画の具体化に合わせて町も接続道路などの検討を進める。
地域住民ら「説明ない」
グラウンドは農林水産まつりなどの会場となり、現在もスポーツの試合や練習に使われている。周囲の住民の間からは「通いやすくなる」「しょうがない」といった声とともに「説明会もなく噂で知った」「なぜ広報や地元紙に載らないのか」「子どもたちの練習場所が消える」「救急車の音が心配」といった声も。町や病院は移転に向け粛々と進んでいる感がある。
このほか、旧湯河原中学校跡地では病院移転に加えて養護学校分教室の建設構想もある。湯河原や真鶴からは24人の児童生徒が電車などで螢田の小田原養護学校や大井町の分教室まで通っており、地元分教室の設置は長年の課題だった。
分教室は町教委になっている旧校舎付近(約2千平方メートル)に県が新築する方向で、教委の移転先も含めて調整が続く。町教委は「具体化するかどうかは来年度の県予算次第」とも話している。
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