萬福寺(箱根)副住職の横顔も
箱根町社会教育センターの社会教育指導員・小笠原正記さん(51)が5月の剣道八段の審査に合格した。参加者は1600人を超え、合格者は17人。わずか1%の難関だった。
審査は1次と2次があり、6〜9人の審査員が見つめるなか2度の立ち合いが行われ、木刀による日本剣道形の審査が行われる。小笠原さんは指導者で相手も指導者。立ち合いで打ち込んだのは小手だった。「竹刀であっても真剣と同じ。いかに初太刀を取れるかなのですが、勝ちたいと思ったらいけない。ここぞという瞬間にいかに自分を捨て切れるか。私はたまたま幸運に恵まれたんです」。
小笠原さんにはもうひとつ、駅伝ゴール近くの萬福寺(箱根)の副住職という横顔もある。近隣では法事などでもお馴染みの顔だ。元々は京都の出身で、実家は真宗大谷派のお寺。敷地内に幼稚園の体育館があり、小学2年生の頃から兄について稽古を始め、大谷大学剣道部では監督を務めるほどに。7度目の挑戦となる今回は、生まれ育った体育館に滞在し初心に戻ってから審査に臨んだ。
現在は社会教育センターの指導員として大文字クラブや明星展の開催補助などを担当している。地元では箱根中学校剣道部で指導してきた。道場にはもう剥がれてしまったが「千鍛万錬勝負一瞬」(一瞬の勝負のため千日万日稽古する)という宮本武蔵の言葉も貼り、励みにしていたという。
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