ロープウェイ全線開通のカギ
箱根温泉供給(株)が、火山ガスを勢いよく噴き続けている蒸気井(52号井)の修理を行っている。一連の火山活動で破損したが7月上旬にも終了する見込みで、造成が再開すれば夏休み前にも濃度が低下する可能性もある。
蒸気井は火山ガスと水とを混ぜて温泉を造る装置で、このうち52号井は15年前の火山活動活発化の際に噴気が制御できなくなる暴噴状態に陥った経緯がある。昨年からの火山活動でも暴噴し、近くには「火口」も誕生。ここを中心に半径150mの立ち入り禁止区域「レッドゾーン」が設定されていた。4月からはマスク装備などを条件に関係者が立ち入れるようになり、壊れた装置の撤去などが行われている。52号井からのガスが谷全体のガスの何割かは不明だが、町は修理に期待を寄せており、温地研や大学の研究者も「減る可能性はある」と話している。
大涌谷では県などによる6基の常時観測機器が稼働中で、周辺地域3か所でも新たに観測を始める。町はこれらのデータを一元化、現地でのリアルタイムの情報発信を目指しており、現地用の液晶ディスプレイや放送機器、火山対策周知ビデオも準備している。
大涌谷〜早雲山間が停止している箱根ロープウェイ(6月末までメンテ休止中)はゴンドラ内での観測体制や救助体制の充実を図っている。これらのガス対策とともにガス濃度が低下し、さらに学者などによる専門部会で承認が得られれば、町は全線運行再開を判断する方針。町側はその目標について「早ければ7月上旬以降」としている。
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