箱根・湯河原・真鶴版
公開:2016年8月26日
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生命の星地球博物館で開催中の特別展「大地からの贈り物」に湯河原産の鉱物「湯河原沸石」が展示されている。国内外の貴石とともに紹介されているのは、握り拳サイズの石。白い部分をルーペで拡大すると砕けたガラスのように見える。この珍しい石を64年前に発見したのがアマチュア鉱物学者の故・櫻井欣一博士だった。温泉場近くの不動滝で見つかったため、櫻井氏は「湯河原沸石」と命名。この研究が評価され、のちに東大で理学博士の学位も取得している。
湯河原沸石は町内では知名度は低いものの、日本地質学会は今年5月に湯河原沸石を「神奈川県の石」として認定。鉱物学の世界では知らない人はいない存在だ。その成分はカルシウムとアルミニウム、ケイ素や水で、鉱物に温泉が加わり化学反応して生まれる。現在では静岡や丹沢でも見つかる事が分かっているが、世界初の産出地となった不動滝では現在、採掘はできない。