先月末に仙石原でグリーンマルシェを開いた「箱根ライン」の代表を務める 黒澤 孝一さん 箱根町仙石原在住 32歳
箱根暮らしをカラフルに
○…観光地で働く人たちも含めて仕事抜きで交流しようというのが、グリーンマルシェだった。会場でひときわ賑やかだったのがこの「黒ちゃん」。普段は仙石原のレストランで接客をこなす紳士だが、見た目は合宿に来た大学生といったところ。開催まで仲間と入念に準備を重ね、回覧板で全山に周知した。「グリーンマルシェ」は、箱根暮らしをもっとカラフルに―という思いが込められている。「レッドやイエローの名を冠したイベントもやりたい。森でハンモックに揺られるレッド・カフェナイトとか」。
○…千葉のベッドタウン・松戸市出身。少年時代は団地住まいで、公園はいつも沢山の友達で賑わっていた。お祭り好きな父の影響で、地域行事にも積極的に加わった。イベント運営に慣れているのは大学卒業後にイベント会社で働いた経験が大きい。企業の展示会や株主総会、司会の台本書きなど段取りの日々だった。6年前に知人の誘いで箱根に移住。緑豊かな仙石原で暮らし始めてふと気づいた。仕事があっても、友達はいない。休日は暇つぶしに御殿場におりて買い物にふける事が多かった。
○…知人とバーベキューや飲み会がきっかけで、ぽつぽつと仲間が増え、それがいつしか市場(マルシェ)に成長した。「仲間はみんな手に職をもっている。特技を持ち寄ったおかげです」。とはいえ会場の牧歌的ムードはこの人のキャラがあってこそ。談笑中も「大賛成〜」「いいねそれ」と、面白いものを形にするのが楽しくて仕方ない様子。
○…近所の花屋で働いていた奥さんと結婚、今年春に長男が生まれた。少子化が進む箱根では貴重な子育て世帯だ。小田原や御殿場の市街地のように賑やかではないけれど、仲間の中にママ友のつながりが生まれ、助けられたことも多い。「あきらめる人が多いかもしれないけど、この町はもっと面白くなる。伸びしろがありますよ」。会場を見わたし、幸せそうに歯を見せた。
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