箱根・湯河原・真鶴版
公開:2016年10月21日
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箱根町の社会教育センターで篆刻(印づくり)を教える下田翠雨さん(65)が、12cm四方の石に般若心経262字を彫り込んだ。下田さんは26年前まで箱根町役場に勤めていた。篆刻を始めたのは少年時代から続けていた書道の一環という。般若心経を彫ろうと思ったのは、6年前に病で急逝した長男・智仁さん(当時25)への思いもあった。「息子の事を思い出さない日はありません。会いたいな、とも思う。彫る事で気持ちが落ち着くのかもしれない」と下田さん。9月上旬に1日8時間、計3日間にわたり彫り続けた。虫眼鏡などは使わず、裸眼の作業だった。「完成した時は目がチカチカした」という小さな大作。目を凝らすと小さな一文字ずつが縦横につながり支え合うようにも見える。