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箱根の一部として認識?2〜3週間の長期滞在も 下郡でも増える「民泊」

経済

公開:2016年10月21日

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長期滞在中の旅人たち
長期滞在中の旅人たち

東京五輪を4年後に控え、全国的に増えつつある「民泊」。中には旅館業法などをクリアしていない運用形態や、宿泊者による騒音などが問題視される事もあるが、増加する空家対策としても注目されており、民泊運用の新法制定に向けた動きもある。本紙では地元湯河原町の民泊の一例を取材した。

町内は20施設以上か

 「民泊」の利用者の多くは、海外の予約サイト「airbnb」で予約している。サイト内には湯河原町だけで20件以上登録されており、宿泊施設のほかマンションの一室や一戸建ても。駅周辺に集中しており、地図もあるので携帯さえあれば旅客が道に迷う事はなさそうだ。町内にはすでに物件オーナーの代わりに予約管理やチェックイン対応を代行する企業もある。宅建などの資格をもつTさん(町内)もその一人で、不動産営業などの経験を生かし、昨年会社を設立。民泊施設での「ハウスルール」(※施設内や温泉マナーなどの案内)設置といったサポートを手掛けている。今回はTさんに町内の民泊を紹介してもらった。

 向かった先は企業の保養所だった施設で、玄関先には世界地図や湯河原の地図、世界各国の挨拶などが貼られ、やはり国際色豊か。館内には折鶴やひな人形など日本らしさがちりばめられている。二段ベッドの部屋や普通の和室があり、見た目は普通の旅館とほぼ変わらないが、大浴場に湯は張られておらず、大きなシャワー室として使われていた。宿泊料は他の施設と比べても安い2千円〜3千円代。オーナーのHさん(仮名)は元企業のエンジニアで、海外勤務の経験もあったことから1年前この施設を立ち上げた。「『民泊』は法律上グレーな所もありますが、今は新法の制定を待っています」。普段から利用者の声や音が迷惑にならないよう注意をはらい、近所と積極的に意思疎通を図っているという。

冬は雪景色を求めて

 この日はイタリア人青年とスペイン人の青年が滞在中で、キッチンで料理を楽しんでいた。利用者の9割は外国人で、その国籍はのべ50か国以上。季節によって国の比率は変わり、夏は欧米人が多めで、冬はマレーシアやシンガポールの人が雪景色を求めてやって来る。中国人旅客も増加傾向だ。しかしHさんによれば「湯河原を目指して来る人はわずかです」。宿泊客の多くは箱根への中継地や大都市間の移動の中継地としてやって来るという。箱根フリーパスで湯河原から山越えできるのもメリットらしい。また「airbnb」で「箱根」を検索すると湯河原の施設も表示されるため、混同して来る人も多いらしい。それでも町内には「こごめの湯」があり、不動滝や万葉公園、春には梅林や桜、夏には吉浜ビーチと見どころもある。着いた後の滞在期間は平均2〜3週間と長い。

飲食店で戸惑う外国人

 湯河原町は最近外国語表記の観光パンフを作り、外国語教室を開くなど受入れ態勢を強化している。また現在工事中の駅前広場の公共サインには外国語表記を増やす計画だ。その一方、湯河原の飲食店に入った外国人が戸惑うケースはまだ多い。「ファミレスは写真つきのメニューですが、写真もなく日本語表記だけだと分からないようです」とHさんは話す。

 駅周辺を歩くと「ここ数年外人さんの数が増えた」「温泉入浴以外、湯河原に何を求めて来るのか」という声を聞く事が多い。五輪招致など国によるプロモーション効果や海外での小さな日本文化ブームなど、後押しする要因は様々だ。日本政府観光局(JNTO)によれば昨年の訪日客数は約1970万人、国は五輪開催年に約4000万人という目標を掲げている。湯河原への”さざ波”が今後小さくなる気配はない。

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