足柄下郡3町で今月上旬に成人式が開かれ、各会場を色とりどりの衣裳がモザイクのように彩った。一部会場では豪快に酒瓶を傾ける若者の姿もあったが、式典では町長の挨拶にじっと聞き入り「ありがとうございます」と威勢よく声が上がっていた。
湯河原町は8日に式典を開催、町内の新成人240人のうち168人が集まった。会場の観光会館前には「可愛い」と褒め合ったり写真を撮り合う参加者で賑わい、長いリムジンで来場するグループの姿も。冨田町長は挨拶で「大人とは何か」と問い、自らの成人式(40年前)を振り返りつつ「短く伝えられる事ではない。その時、その時の感情に、どのように向き合うかが極めて大切」と話した。
感謝の心持てば苦境越えられる
箱根町は9日に小涌園に新成人70人が集まった(住民登録は135人)。 今回は実行委員メンバーが事前に恩師を訪ねてインタビュー映像を編集。スクリーンに続々登場する懐かしい顔ぶれに会場が笑いに包まれた。山口町長は挨拶で大涌谷の噴火について触れ「苦境を乗り越える上で町内外国内外の様々な人が応援し励ましてくれた。感謝の気持ちを持つことで皆さんもこれから出会う困難を乗り越え、社会を豊かにできる」とエールを送った。
真鶴町の成人式(9日)では会場の町民センターに63人が来場。宇賀町長は髪のない頭を手で覆ったり見せたりしながら「初日の出!」と会場を沸かせ、和んだ客席に語ったのは二宮金次郎の教えだった。「目先の人は刈る事ばかりを考える。先を考える人は植える」と語り、あせらず、ゆっくりでいい、大きな人になって」と語りかけた。
湯河原と千歳川を挟んだ隣、熱海市泉地区では8日の新年賀詞交換会で新成人5人を紹介。一人ひとりがマイクを握って地域住民に抱負を語った。