箱根・湯河原・真鶴版 掲載号:2017年3月10日号

国際興業グループのフランス料理コンクールで優勝した

石井 大吾さん

芦ノ湖畔・箱根ホテル勤務 29歳

気配りが料理を美味しくする

 ○…テーマは「黒舌平目」と「国産牛イチボ肉」。ナッツやハーブなど様々な食材を駆使した料理が評価された。4月に昨年の優勝者たちとさらに腕を競い、ここで評価されればフランス研修への道が開ける。「一人の力では優勝はできなかった。先輩のアドバイスのおかげ」とまったく笑顔を見せようとしない。本番前に材料の平目が手に入りにくい時期に重なり、あらゆる助け舟を出してくれた食材業者への感謝を添えた。

 ○…大井高校時代に偶然アルバイトを始めた寿司店が、料理を志すきっかけに。宅配専門店だったが、職場で見たのは「必要とされる」寿司職人たちの後ろ姿。当時は勉強は苦手で「これは武器になる」と直感したという。その後、富士屋ホテル系列のフュージョンダイニングF(小田原駅前)でのアルバイトがきっかけで、名門・宮ノ下の富士屋ホテルに就職が決まった。

 ○…当時の職場はグリルなどもあり、室温は40度近くになった。魚をさばく時は包丁を冷やして扱った。入って驚いたのは、決して食材を無駄にしない職場風土。うっかり捨てていたトマトの芯や魚の骨の部分からも、料理の味を深めるスープがとれる。何よりチームプレーを叩きこまれた。「誰かに指示されなくても、持ってくる。職場で気を配れなければ料理にも気を配れない」。その先輩の一言は今も胸中で溶けずにいる。

 ○…現在独身。家の両親で料理を食べさせたいところだが、普段職場で扱うような料理は準備に時間がかかり、なかなか実現できない。オフの過ごし方を尋ねてみると、ほとんど「オン」だった。仲間と都内に繰り出し、レストランを食べ歩いて味を学ぶ。男同士で食事していると同業者には分かるらしく、優しいシェフに教えを乞う事もしばしば。巷の若者が好きそうな趣味を尋ねても、眉間にしわをよせるばかり。「本屋でフランス料理のレシピをめくる。自己投資ですかね」と表情を緩ませた。

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