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消防のスピーチ発表で関東代表に選ばれた 鈴木 啓太さん 湯河原町宮下在住 30歳

公開:2017年5月26日

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常に相手を思う日々

 ○…小田原市消防の松田分署で特別救助隊員として働く。仕事への意気込みなどをまとめたスピーチ発表で、1都9県の代表の中から1位に選ばれた。関東の消防長が集まる会場での発表など今まで経験はなく「お前らしくやれ」と分署から送り出されたという。本番で感じたのは発表の出来不出来だけでない。「他県代表のスピーチに刺激された。同じ仕事に就く人間として多くを吸収できた」と晴れやかに振り返った。

 ○…選んだテーマは消防と外国語教育という異色の組み合わせ。3年前に山北町の滝つぼの淵で、身動きが取れなくなった人の引き上げ救助を担当した。ところが相手はロシア人で片言英語の「レスキュー」「マイ・ネーム・イズ」も通じない。相手の予期せぬ動きもあり危うく逆さ吊りになったが、冷静に立て直して救助に成功。「相手には痛みも怖さもあったはず。もっと言葉が通じたら」という思いが残っていた。

 ○…湯河原育ちで、特技はサーフィン。全日本選手権に出たこともある。学生時代に海で救助の現場を目にしたのが、この道に入るきっかけだった。塗装職人の父・洋一さんからも「消防はすごいぞ」と後押しされ、難関をこえて小田原市消防へ就職。常に訓練を重ねるレスキュー隊員とはいえ、現場は危険な所も多い。洋一さんは5年前に他界したが、胸ポケットには父愛用のパスケースをお守りのように入れている。

 ○…審査ではスピーチの先見性や表現力が問われ、制限時間の5分間を超えると減点される。発表前まで先輩や上司にスピーチを聞いてもらい磨きをかけた。CPAといった専門用語もわかりやすく「心肺停止」に言い換え、所どころ一呼吸の間をおいた。冷静になったあの日の現場と同じだ。今度は全国規模の発表に臨む。足場を確かめるように言葉を選び「先輩や上司、一緒に発表してきた他県の代表のために、最高の5分間にします」と誓った。

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