大涌谷の駐車場の管理事務所が、火山の噴石対策を盛り込んだ頑丈な屋根の建物に変わろうとしている。
駐車場を管理する県の公園協会が行っている工事で、旧事務所が老朽化していたことに加え、災害時に観光客に渡すヘルメット(約300個)を収納するため、広さを3倍に拡げる事を決めた。
新事務所は内閣府が27年度に出した「活火山における退避壕等の充実に向けた手引き」を参考に設計されている。屋根は鉄筋コンクリート製(厚さ20cm)とし、室内側を防弾チョッキにも使われる高性能繊維物(アラミド繊維)で補強。内閣府の指針では繊維の有無で強度が高まる実験結果も示している。工事はすでに6月から始まっており、年内には完成する見込み。
町の避難計画によると、噴火警戒レベルの引き上げの際は観光客を土産店やロープウェイ駅舎内や土産店施設などに避難させる事になっており、噴石対策を施した新事務所が完成した後にはこれらの避難先リストに加わる可能性がある。
研究路 シェルター複数新設へ
大涌谷ではこの事務所工事のほか、ロープウェイが乗車待機スペースを拡充する工事を年明けに予定しており、避難時の収容人数を200人分増やす。
閉鎖中の自然研究路(片道約300m)は年内にも再開に向けた工事が始まりそうだ。かつて往路と復路の2本があり、台風の土砂崩れで使われなくなった往路を直すほか、噴石避けのシェルターを複数建てる計画もある。こちらはコンクリート製の扉のない構造が検討されており、収容人数などの詳細を検討中。県は大涌谷関連で1億円の予算を計上している。
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