湯河原の鍛冶屋ガードの拡幅を想定した工法案を町が発表した。住民の改善ニーズは多いものの、最低10年の工期や55億円以上という巨額の施工費などが浮き彫りとなった。
列車運行への影響など考慮
鍛冶屋ガードは幕山公園に向かう途中にあり、幅が5mほど。門のような狭い場所を路線バスや歩行者が往来しており、車は対向車が通り過ぎるのを待つ必要がある。運転席からの見通しも悪いため歩行者にとっては安全とは言えない。長年の地域の要望もあり、町は10年以上前から拡幅を検討、昨年は概略設計をJR東日本に委託していた。
JRが示した工法案は計5案。うち4つは作業で電車を止める必要があり、不可能とされた。実現可能性のある案として残ったのは、ボックス形式と呼ばれる案。現在のトンネル部分を土砂などで埋め、部品を土中に挿入しながら箱型の構造体(トンネル)を作るというもの。JRでの施工例も多く、長時間列車を止めるといった制約がない。完成した場合、道幅は5mから12m(8m車道の両側に2m歩道)に拡がる。工事中は現在の通り道を一時的にふさぐため迂回路が必要になるほか、工期は電柱や水路、地下埋設物の工事などを含め、最低でも10年かかる見込み。工事費は詳細設計や補償費などを含め55億円以上になるという。
住民の声まとめる
町では今年になり近隣住民に対して6千通のアンケートを実施。回答の8割以上が拡幅や歩道設置、見通し改善を望むものだった。今月11日には住民向けの報告会を実施。寄せられた意見の取りまとめを経て、再び報告会を開く予定。
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