ゆがわらハロウィン2017の実行委員長 小林 和正さん 湯河原在住 42歳
ぶ厚い胸で受け止める
○…湯河原っ子たちが心待ちにする「ゆがわらハロウィン」は今年で3年目。凝りに凝った仮装コンテストが見ものだが、裏方や会場運営スタッフたちはステージを見るチャンスはほとんどない。「いつか見たいと思っていた舞台が、審査員として見られる」と目を細くした。商工会青年部がゼロから作り上げたイベントは当初「ハロウィンとは何か」という正解のない議論から始まり、時には熱のこもった言い合いもあった。「次の実行委員長」の指名を受けたのは前回の打ちあげの時。先輩たちの苦労を何度も見てきた分、すぐに首を縦にふれなかった。
○…目玉となる仮装の参加者は昨年、人集めに苦戦。前回賛否両論だった舞台上のパフォーマンスをやめ、より参加しやすく仮装のみのコンテストに軌道修正した。手作りイベントゆえに手間暇はかかる。取材中も携帯に仲間からはメールや電話、これ以外にLINE上で無数のやりとりも。「何かあればすぐ報告」とコミュニケーションをいとわない。誰もが仕事や家庭をもち、それらとは別に汗をかく。だからこそ準備の後には必ず飲みに出るという。「馬鹿みたいに仲間とで話してね。最後は『楽しかった』と締めくくりたい」。
○…実家は理容店だったが、20歳の頃にたまたま近所の石材会社に就職し、修行を経て6年前に独立した。お墓の建立の際は施主と打ち合わせを重ね、故人の趣味や思い出を盛り込みながら設計図を引く。いつか聞いた「ありがとう」の一言がやりがい。「一般的に儲かる仕事の方が良いのかもしれないけれど、人の気持ちを形にして、感謝してもらえるんですから」。ずっしりとした腕や肩は、石相手の日々に鍛えられて逞しい。趣味はバイクなのに肝心の車体を買わず、大型免許を更新するばかり。「憧れのハーレーにまたがって、地元の椿ラインを駆ける」。自分の夢は頭の片隅に、いまは自分以外の笑顔の事で頭がいっぱいだ。
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