市内被災者に風呂を提供 鶴巻温泉の梵天荘
鶴巻温泉にある旅館「梵天(ぼんてん)荘」が鶴巻地区の被災者に風呂を提供している。温かな支援に被災者からは感謝の声があがっている。
女将の加藤政江さん(71)は地震5日後の3月16日、知り合いの不動産会社から、管理するマンションの入居者が風呂に入れず困っているとの連絡を受けた。マンションが被害を受け水道、電気、ガスが止まっているということだった。「お宅でお風呂に入れてくれませんか」との願い出に、「うちのお風呂は小さいからみんな入れるか分からない」と少しためらったものの、「うちにできるだけのことはします。どうぞ」と快く引き受けた。
同日から毎日、6、7組の世帯が風呂に入りに来る。旅館の客と利用時間が重ならないよう、事前に予約を入れてから来てもらっているという。初日には5日間風呂に入れていなかった親子も来たのだとか。
加藤さんは「みなさんにとてもいい風呂だ、と喜んでもらえてうれしい。お風呂は毎日入りたいものね」と優しい笑みを浮かべる。風呂に入りにくる人たちにお茶と菓子を振舞って話をするなどして気遣う。
マンションの復旧予定の24日頃までは、入居者を引き続き受け入れるそうだ。
「こういうときだから」「人ごとじゃないものね」と加藤さんは話す。
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