スウェーデンで家具職人の国家資格を取得し、4月から市内に工房を立ち上げる 遠藤 覚(さとし)さん 堀山下在住 39歳
北欧の家具職人に転身
○…家具職人になるためスウェーデンの学校「CAPELLA GÅRDEN」に3年間留学し、木工を学んだ。4月からは市内で自身の工房「enao furniture products」を立ち上げ、家具職人として歩みだした。「芸術家では無く職人。自分が好きなものを作るより、使う人が必要とする家具を製作したい」と決意する。
○…東京で営業マンとして会社員生活を送っていたが、将来を悩んでいた際に偶然市内の工場で家具職人がカンナを扱う姿を目撃。「その瞬間、直感的に自分がやりたいことはこれだと感じた」と運命の出会いを振り返る。未経験だったものの、その場で転職を決意。市内の家具工場で修行を始めた。その後、近代木工家具の祖と言われるカール・マルムステンが創立したスウェーデンの学校で学びたい気持ちが強くなり海を渡り受験。「でも、英語もスウェーデン語も全然わからない。もっと語学を勉強しなさいと面接で怒られちゃいました」とあえなく不合格。しかし想いは尽きず、英語を独学で学び、3年目の挑戦でついに20倍とも言われる難関を突破した。
○…木工科は1学年15人ほどの少人数制。8人で校内の寮に住み、24時間工房が使える自由な環境でひたすら製作し続けた。努力が実り、3年目には職人資格にあたる国家試験に合格。「転職を決意して良かった。反対しないで応援してくれた両親や兄夫婦には頭があがらない」と感謝する。
○…学校の卒業証書の名前が「Endo」ではなく「Enao」と間違えて記載されていたことから、そのまま工房名に採用した。「見つけた時はみんなで大笑い。でも面白いので使っちゃおうかと」と裏を明かす。現在は製作を続ける日々だが、時間があれば油絵を描いたり音楽を聴いたりして過ごす。今後について水を向けると「自分の活動を通し、一人でも多くの人が家具に興味を持ってくれたら嬉しい」と身を乗り出し目を輝かせた。
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