最速に挑む夢追人 レーシングドライバー 石浦宏明さん
市内戸川在住のレーシングドライバー石浦宏明さん(29歳)が、4月30日(土)から富士スピードウェイで開催されるレースを皮切りに、今シーズンもスーパーGT500クラスとフォーミュラーニッポンのレースに参戦する。試合を目前に控え、本紙が取材した。
石浦選手は、父親がレースに携わる仕事をしていた関係で幼い頃からレース場でマシンを見ていた。「単純にカッコいい。それが始まり。幼稚園の卒園文集にも夢はレーサーと書いた」。目の前を時速300Kmで駆け抜けるマシンと、極限に挑むレーサーたちの姿は、子どもの心を捉える充分な魅力と迫力があった。
ところが、レーサーになることを一番反対したのは父親だった。「よく知っているからこそでしょう。厳しい世界ですから」と目線を落とす。それでも情熱は抑えられず平成11年、高校に通いながら新東京サーキットでカートレースにデビュー。マシンが無いため、レンタルマシンで挑んだこのレースで、なんとコースレコードで勝利。この鮮やかなデビューが、輝かしい戦績の始まりとなる。
レースのため大学は理工学部に進み、本格的にカートレースに参戦。平成15年からはフォーミュラカーのレースにも挑戦し、フォーミュラニッポン練習走行会には自費で参加した。この走りを見て、トヨタから声がかかる。既に他の選手に決まっていたトヨタヤングドライバーズプログラムの契約ドライバーに抜擢され、戦績を重ねて平成20年からは、国内最高峰のフォーミュラニッポン参戦を果たす。さらに、改造した市販車で競うスーパーGTにも平成19年から参戦し、今年から「チームレクサスサード」としてハンドルを握る。
夢を追って駆け上がる姿に、父親も今はマネージャー役として石浦選手を支えてくれるという。平成21年にはファッションモデルの久保寺瑞紀さんと結婚。夫人の実家がある秦野の豊かな自然に惹かれ、都内から移り住んだ。「妻は東京に住みたいと言ったけれど僕は田舎が好き」と笑う。
義援金サイト立ち上げ
いよいよ開幕する今シーズン。今年は、東日本大震災で3月のテスト走行は全て中止、急遽オフとなった期間、脇阪寿一選手を中心に、レーシングドライバーたちによる義援金サイト「SAVEJAPAN」を立ち上げた。「モータースポーツ界からできることをしたい」と前を見据える。
4月からのレースに「フォーミュラニッポンは初優勝、スーパーGTではシリーズチャンピオンが目標。今年の夏には娘も生まれるから、もっともっと頑張らなきゃ」と意気込む。
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